研究室の風景
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
 不斉合成反応で得られた生成物の鏡像異性体過剰率を決定する目的でキラルカラムとともに用いています。
 検出器は、UV-VIS検出器、フォトダイオードアレイ検出器の他に示差屈折率検出器があります。現在6セット稼働中、グラムスケールに対応した分取タイプもあります。

ガスクロマトグラフィー(GC)
  反応の進行の様子をモニターするのに使います。またキラルカラムを用いて不斉合成反応で得られた生成物の鏡像異性体過剰率を決定することにも使います。現在3セット稼働中。  

マグネチックスターラー付低温恒温水槽
 0℃~-80℃まで低温条件で反応の検討を行うことができます。3セットが24時間運転中です。  

グローブボックス
 内部は完全に窒素ガスで満たされていて、酸素や水分に触れると分解するような金属試薬などを秤量したり、保存したりしています。手前のゴム手袋を通して内部の操作を行います。  

パーソナル有機合成装置(ケミステーション)
  専用のガラスフラスコやステンレス製オートクレーブを用い、同時に様々な反応条件を精密に設定し、合成反応の検討を行うことができます。  

示差走査熱量計(DSC-60) [Differential Scanning Calorimeter]
 金属錯体の純度検定のために融点を測定したり、ポリマーのガラス転移温度(Tg)を測定します。加熱の速度と試料の温度上昇を精密に比較し、潜熱を計算します。  

熱量測定装置(TGA-50) [Thermobalance]
 ポリマーの分解温度(Td)の測定を行います。電気炉で加熱しながら試料の重量を精密に測定していきます。  

GPC (Gel Permeation Chromatography)
 原理は液体クロマトグラフィーと同様ですが、専用のカラムを用いて、ポリマーの分子量や分子量分布を測定する装置です。いろんなメーカーの寄せ集めの装置ですが、立派に稼動しています。  

マイクロウェーブ合成装置(シングルモード型)
  原理は電子レンジと同じです。マイクロ波を使用してフラスコの内容物を瞬時に加熱して、副反応を抑えながら合成反応を行うことができます。スタイリッシュなスウェーデン製の装置です。  

赤外分光光度計(FT-IR)
 分子の振動を測定します。置換基に特徴的な振動数から分子構造の情報を与えてくれます。計算化学と組み合わせることにより、さらに多くの分子構造情報が得られます。  

旋光計
 不斉合成で得られる光学活性な生成物の旋光度をナトリウムランプのD線を光源にして測定し、光学純度を決定します。PC制御の最新型です。  

超臨界二酸化炭素発生装置と反応容器
 二酸化炭素は、気体・液体・固体のどれでもない超臨界状態を簡単に作り出すことができます。この装置は超臨界状態の二酸化炭素を発生させ、反応容器に導き、その中で合成反応を行うことができます。  

融点測定計
 物質の融点を自動測定する装置です。PCから昇温速度などを制御します。PCモニター上で融ける様子を動画で見ながら記録することができます。動画ファイルの保存もできるので、融ける様子を後で見直すことも可能です。  

React IR 4000
 青いアームの先のプローブを反応溶液中に直接漬けて、反応中間体の赤外吸収スペクトルをリアルタイムに測定することができます。反応追跡に強力なツールです。共通機器ですが管理を担当しています。  

ガスクロマトグラム質量分析装置(GC-MS)
 ガスクロマトグラフで成分を分離し直接質量分析計で分子量を測定します。データベースを利用すれば反応溶液中の生成物の構造が簡単にわかります。共通機器ですが管理を担当しています。  

蛍光式光ファイバー温度計(AMOTH FL-2000)
  反応系の内温を精密に小数点第一位まで1秒間隔でモニタリングできます。バッテリー(単三電池)でも使えるので、非常に便利です。特に、マイクロ波を用いる反応を行うときにその威力を発揮します。  

マイクロウェーブ合成装置(マルチモード型)
  連続冷却可能なマルチモード型のマイクロ波反応装置です。付属の熱電対を用いて温度制御を行い、反応系内部の温度は蛍光式光ファイバー温度計を用いて精密に測定を行います。  

その他、核磁気共鳴吸収装置(NMR)やX線結晶構造解析装置などは大学共通の装置を使用しています。