About us
私たちは2024年4月に慶應義塾大学理工学部化学科で新たにスタートした研究室です。助教の前田文平君と1期生として加わった5名のラボメンバーと、ドラフトと中央実験台以外に何もない、文字通りゼロの状態から実験室を立ち上げました。ここから、まだ世界に存在していない新しい分子の創成を目指していきます。
ケモインフォマティクスにおける概念であるケミカルスペースは、分子のバリエーションが天文学的な数字であることを示しています。例えば、医薬品に多く見られる炭素・水素・窒素・酸素・硫黄の5つの元素に限定し、分子量500以下に制限しても、ケミカルスペースを満たす分子は1063種類を超えます。理論上存在する分子は無限であると言っても過言ではありません。一方で、分子は、ほんの少しでも構造が変わると全く異なる性質を示します。「分子の構造と性質の相関を理解し、化合物の機能を自在に操ることで、サイエンスや社会の発展に貢献するありとあらゆる分子を創り出す」これが有機化学という学問の特徴であり、究極の目標でもあると私たちは考えています。
分子の可能性は無限であるという信念のもと、私たちは今、触媒の設計と機能探求・革新的反応の開拓・複雑分子の自在変換法の確立を目指すプロジェクトに着手し、日夜研究に励んでいます。研究室では、オリジナルの分子を設計するなど、自分たちのアイデアを描き、形にすることで、新しいサイエンスを切り拓くという意欲をもった学部生・大学院生を歓迎しています。研究室見学やオンライン等での相談を随時受け付けています。希望される方は大松(ohmatsu@keio.jp)まで気軽にご連絡ください。
2024年6月 大松亨介