+ 分子クラスター +

図: 各クラスター負イオンの質量スペクトル

 分子クラスターグループでは、有機溶媒として広く用いられている分子、 有機半導体などの分子固体を構成する多環式芳香族分子、 核酸塩基をはじめとする生体関連分子などの広範な分子系の有限集合体(クラスター)を対象とし、 それらの電子状態、集合構造、協同的現象(溶媒和、分極、相転移etc.)などに関する研究を進めています。
 我々のグループでは、分子クラスターを"凝縮相や生体系で起っている様々な物理化学現象を 分子レベルで理解するためのモデル系"として位置づける従来の研究の視点とともに、 "ナノサイズの分子集合体に特有な協同現象の探索と解明"の場として分子クラスターの研究を進めています。
 また我々のグループでは、広範な分子系に対して100量体を超えるような大サイズのクラスター負イオンを生成する方法 の開発に成功しており、この生成法によって、電子親和力が負であるため生成が極めて困難であった ベンゼン分子の巨大クラスター負イオンを生成(上図a)やこれまで生成可能なサイズが10量体程度にとどまっていた ナフタレンやアントラセンなどの固体試料に対して100量体を超えるような大サイズのクラスターを生成できるようになりました(上図b, c)。
 このように、我々のグループでは、分子クラスター研究における新境地を開拓し、 これまでにいくつかの新しい発見や先駆的な研究成果を挙げています。

参考文献
[1] M. Mitsui, S. Kokubo, N. Ando, Y. Matsumoto, A. Nakajima, K. Kaya,
"Coexistence of Two Different Anion States in Polyacene Nanocluster Anions"
J. Chem. Phys. 121, 7553 (2004).
[2] M. Mitsui, N. Ando, S. Kokubo, A. Nakajima, K. Kaya,
"Coexistence of Solvated Electrons and Solvent Valence Anions in Negatively Charged Acetonitrile Clusters, (CH3CN)n (n = 10 100)"
Phys. Rev. Lett. 91, 153002-1 (2003).

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有機金属クラスター

分子クラスター

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